日録

ゼロ番地に佇んで。

「ゼロからのスタートだ」なんて振り切ったことも言いづらい歳になりました。単純にそれを老いだとか懶惰(らんだ)だとか言うのかも知れない、じっさいそんな節もあります。幼子は何も持っていないから、何だって手に入る。手放す怖さを知らないから何だって出来る。何も知らないから、何だって知ることが出来る。

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素朴な信仰。

 安倍晋三元首相の銃撃事件から二週間近くが立ち、これを皮切りに信じられないようなニュースが連日流れています。犯人は旧統一教会によって家庭崩壊に追い込まれたこと、同教会による被害が世代を超えて根深く残っていること、そして政権与党が50年近く同教会とただならぬ関係を持っているという記事が次々に発掘されていること、国としてのアイデンティティが根底から覆される大事件だと、言わざるを得ません。フィクションのような出来事が現実に起きている、俄かに信じ難く動揺しています。

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ただ、一人の人間として。

 安倍晋三元首相が銃撃され、そのまま亡くなったというニュースが昨日から引っ切り無しに流れ、あまりにも衝撃的でした。ご婦人は今、どんな想いで過ごしているのか。彼の家族は、親戚は、友人たちは、支持者やそうでもない人たちは一体。思うだけでただただ、胸が痛むばかりです。ただここに、哀悼の意を表したいと思います。

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境界線は何処に。

 連日のニュースにある通り、日本の西側にある国では凄惨な暴力が繰り広げられています。人が、街が無惨に踏みにじられているのを思うと、表す言葉が見つかりません。暴力が暴力を生み、その報復心が権力への求心力になっていく。史実として知ることと、いま現在起きていることとでは全く重みが違う。今日にも明日にも誰かが殺し、殺されていく。眺めるばかりで何も出来ない、何もしない自分が腹立たしくて悔しいばかりです。終わらせる方法は一つしかない。引き金から指を外せば、すぐにでも終わること。互いに命を尊重し、知恵を出し合って譲り合えば、解決しない問題は何もないはず。

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汝、神の如く

 昨夜遅く、気分転換に馴染みの林道でツーリングをしていたら、反対側の車道の真ん中に茶色い毛玉が、それもかなり大きいのがうずくまっていました。体長1メートルくらいはありそうで、少なくともタヌキではなさそうでした。この道はよくタヌキやテンが飛び出し、運悪く撥ねられてしまうこともしばしば。今回もそれかなと思って横目にそれを見ると、辺りに血痕や身体の一部が飛び散ったような形跡もなく、至極きれいな状態でした。兎にも角にもそれが気掛かりでした。

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夏の盗賊。

 去年"―amabie / 桜の晩歌―"という作品を描き、その時から自身の制作についてとても悩まされてきました。そのため私自身、作品について上手く説明できないことも増えてきました。この混乱を引き摺ったまま"―No Name / 死者の家―"、そして新作"-Le vent se lève / 青春譜-"の完成を迎えました。

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今日を生きられなかったあなたへ。

「来年は」「再来年は」なんて気楽に言えてしまうけれど、昨日死んでしまった人にとっての今日は何百年、何千年よりも遠い未来かも知れない。時間という概念に当て嵌める事自体がおかしいかも知れませんけれど、そう大袈裟に考えると今日は一生に一度の、何にも代えられない命だと不意に思いました。特に今日みたいに、無為徒食な一日を送ってしまうと。

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残映とともに。

 今日、私は28歳になりました。10年前の私はちょうど高校3年生で、1年生の頃に加入した合唱部は当時の私にとっては家族以上に心の拠り所でした。中学から高校に上がる時、それまで保っていた心の安寧が打ち砕かれ、大人たちには失望し、頼るものは同じ心の傷を負った同級生だけでした。後に親友と呼ぶ人とは半年以上に及ぶ絶交期間もありましたし、部活内の内輪揉めもありましたし決して万事安泰ではありませんでしたが、その中で私たちは大人になろうとしゃかりきになっていたのだと、今は思います。

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繋がったとか、容易く言うな。/創作は交差点。

 どんな言葉で始めようか迷っていました。しがない絵描きとして、名もなき一粒の観衆として率直に申します。

 

 

 私は絵描きが嫌いだ。

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unsungを白い息と唱えてる。

 今年に入ってから私の制作を取り囲む環境が大きく変わりました。今日までの十ヶ月間を殆ど一人で過ごし、新型コロナウイルスの影響で遠出も叶わず、仕事以外で言葉を発する時間はめっきり減ってしまいました。

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絆という羅針盤。

 大阪都構想の住民投票を固唾を飲んで見守っていました。私は名古屋市民なので直接の影響もなければ投票権のない立場ですが、とてもヒヤヒヤしました。私の住む名古屋市ではあいちトリエンナーレの助成金騒動を皮切りに大村知事リコールの街宣が今も轟き、何かの拍子で中京都構想が再燃するのではと気が気ではない状況です。大きな前例が出来て、それが名古屋にまで波及しないかと心配がありました。

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縁も宴も廻るものだ。

 十月も暮れ、衣替えに間誤付いている間も待ったなしに寒が押し寄せて来ました。世間よりブームの到来が十週遅れた私は、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』を読みながら腹の虫を鳴かせていました。意地悪な李白翁が各々の欲望に釣られた男たちに夏の真ん中に綿入れを着せ、天井に炬燵をぶら下げた部屋で激辛紅白鍋を食わせるという鬼畜極まりない宴会を敷いていたのでした。私は辛い物は得意ではないですが、肌寒い秋に熱々の鍋は何よりの至福でした。嗚呼、キムチ鍋が食べたい、一人寂しく大鍋を突こうかしら。

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取り戻せ、オルタナティブ。

 お久しぶりです、或いは初めまして、婆娑羅桜火(バサラオウカ)と申します。いいねやリツイート、或いは通りすがり等の形で私の作品に目を留めて下さり、有り難うございます。

 

 

 今後ともこの様な機会がある事を願い、改めてご挨拶と自己紹介を兼ねてお話をしたいと思います。というのも、ここで書く事柄が私の作風、ひいては生活観に関わるため、それらの間にある幾らかの線引きを薄めていきたい意図があります。詳しくは以下に続きます。

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僕らは桶の上で生まれた。

 暫くぶりの連休、この日は生憎の雨。晴耕雨読という古い言葉がありますが現代人にとっては何をするにも雨天は厄介で、溜まりに溜まった洗濯物の行き場や低気圧から来る頭痛に悩まされる人もいるでしょう。ところが私は雨天時ほど外出意欲に駆られる天邪鬼で「雨など降るもをかし」と柔和な言葉にパンキッシュ精神とエンジンキーを丸め込み、ハンドルを握るのでした。行き先は豊田市足助町の香嵐渓。私の家から車で1時間ちょっとで、近くもなく遠くもない程よい距離感から度々行きたくなる場所の一つです。

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鬼が哭いた。

「妖怪のせい」というフレーズが今でも通用するかは分かりませんが、日本には妖怪信仰という目に見えない「霊」に対する畏れの文化があります。霊は何処にでもいて、それは太陽のように微笑み、大地震のように怒りに身を震わせるといいます。霊は私たちの言葉と表現を超えた、禍々しくも恐ろしく、そして美しくも優しい、捉え処のない存在であるとされ、しかしながら何かの意図をもってうごめくそれをユーモラスに描いたのが妖怪と呼ばれる写し身だといいます。

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ひとり、おもう。

 ひっそりと一人暮らしを始めて、2週間近くが経ちました。

それに触発されて兄も一人暮らしへと着々と準備を進め、運搬作業の手助けとして車を手配したり、暫くはそんな日々が続きそうです。

両親もまた、祖父母の生活を見守るために足助近くの山奥へと間もなく居を移すことになります。

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新作"-Fiat Lux / デイ・バイ・デイ-"

 遅くなりましたが、明けましておめでとうございます!

去年は作品数が特に少ない年になりましたが、その間はと言いますと普通自動二輪免許を取得しました(ノ´∀`*) (正確には限定解除)

この所思い切り遊んだ記憶がなかったのと、豪遊する機会が今後減っていくだろうと見越して「なら一生モノの遊びをしよう!」と思い立ちました(笑)

 

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新作"-Blue Eagle / 涅槃-"

 こんばんわ、低浮上ですがバテずに元気している、つもりでございます(´・ω・`)

今回は新作の裏側をお話したいですが、線画の完成後4ヶ月強に完成という史上最長の制作期間となってしました・・・。

その間全く絵をサボっている訳ではないですが、以前から構図を温めていた創作物語関係の作業に浮気していたのが最大の要因かと思われます(-_-;)

さて、積もるお話は追々ということで、新作の解説に入りたいと思います!

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新作"-Grains of Life / ゴルゴタへの誓い-"

 白内障の手術後、眼鏡を掛け始めて早1か月。眼鏡が似合いすぎる顔立ちから友達の誰一人からも取り上げられない、婆娑羅です( ;∀;)

結構気に入っているんだけどなぁ、あの眼鏡・・・。

 

 

 簡単な近況報告はさておき、お久しぶりです(*^^)v

題名の通り本日は2日前に完成した新作についてお話をしたいと思います!!

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こころのふるさと

 生活支援員の仕事を始めて早2ヶ月。学生時代が長引いた分だけ仕事への憧れが強かった僕ですが、実際に働いてみると本当に「忙しさ」を感じます。ゆとりを持って同世代の若者たちと共に学び、考えを分かち合う。改めて学生時代の大切さが身にしみる毎日です。

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右手と左手

 母方の祖父母が亡くなってから、休日は遺品整理に彼らの家に足を運ぶこともあります。

ところがこの遺品整理、とても厄介です(-_-;)

人間、大事なモノは全部箱詰めして捨てたがらない生き物ですが、それが却って手放せない恐怖となってぞぞっと押し寄せてくるもの。個人の品がそうなら、まして故人の品はもう大変・・・。100ある祖父母の形見からたった一つを選んで、他の全てを諦めなければいけないのだから。

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蛹。

 こんばんわ、婆娑羅です。

今年は異例の猛暑でまだまだ危険な暑さが続いていますが、お元気でしょうか?先日は僕の友達が軽度の熱中症で救急搬送され、グループLINEでもちょっとした騒ぎがありました。友達ばかりではなく我が家も、この猛暑に苛まれることになりました。

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優しさと厳しさ

 えぇっと久々の日録になります(ーー;)

二ヶ月ほど前から本当にまぁ激動というか、落ち着かない事だらけでした・・。

状況と気持ちが落ち着いたので、改めて報告させて頂きます。

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帰郷。

 去年11月に祖母が亡くなって以来、初めてお墓参りに行きました。

型落ちの軽自動車を走らせて40分、僕の母の生まれた

実家を少し通り過ぎた先にある墓地にたどり着く。

少しずつ変わっていく町並み、その中で変わらないものを感じながら、

静かな帰郷をその身いっぱいで受け止める。

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掴んで、離して

 久しぶりの日録、婆娑羅です。

先月末に25歳の誕生日を迎えましたが、この年齢は俗に言う「クオーターライフ・クライシス」と呼ばれる時期だそうです。僕もこの頃、色々な出来事があって、自分の今までの考え方や経験を振り返ることが、とても多くなりました。

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新作"-Memento Mori / 祭りの痕-"

 こんばんわ、婆娑羅ですm(_ _)m

どなたが期待するのでしょうか、それはさておいて・・、

今年初の新作が完成しました!!

制作期間は過去最長の5ヶ月以上、1ヶ月近く筆を持たなかった

時期もありましたけど、それほど表現力が衰えなくて安心しました(ーー;)

とはいえ楽器とかもそうですけど、やっぱりブランクは怖い・・。

まぁつまるところ「継続は力なり」ですね(´-ω-`)

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6年間の大学生活・完

 2018年、あっという間に2月にですね(´・ω・`)

公私ともども多忙のためご無沙汰しました、婆娑羅です(汗)

色々と状況が落ち着きましたので、幾つか近況報告をさせて頂きます!!

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我、此処にあらず。

 色々な出来事と直面してから、自身の考えについて

振り返ることが多くなりました。

日々の積み重ねが今の自分を作る。

そんなのは当たり前ですけど、僕はそのある部分から長らく

目を背けていたと気付かされました。

一度染み付いた感覚は中々変われない、それは他の誰かも、僕も同じでした。

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「愛」という真実

 志賀直哉の短編小説『城崎にて』を思い出します。

電車の事故からの療養中の作者は様々な死と出会い、自らを省みる。

静かに横たわるハチの死骸、喉に串を刺され石を投げつけられるネズミ、

たまたま投げた小石に当たって死んでしまったイモリ、

そして不幸中の幸いで生き延びた作者。

 

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花園をまといて。

 肺がんとの闘病のなか脳梗塞で倒れた祖母は

11月14日午前7時20分、89歳で浄土へと旅立ちました。

祖父を亡くしてから4年後のことでした。

僕が生まれる前からずっと愛してくれた大切な人、

親戚たちの憩いの場の中心でいつも見守ってくれたおばあさん。

今は狼煙とともに、高いあの空へと昇っていったのでしょう。

込み上げすぎた想いをこぼさぬように、今は回想します。

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全ては愛のため

 こんばんわ、久しぶりの更新となります!

日常では色々あって落ち込んだり立ち止まったりしながらも、

大切な仲間たちのお陰で少しずつ、忘れていた多くを取り戻す事が出来ました。

色々な出来事がありましたが、その中で絵描きとして大変嬉しい経験がありました。

熱が冷める前にと、いまはキーボードを叩いています。

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